ラオス南部 (1998年 G.W.)




首都ヴィエンチャン


ヴィエンチャンの街随一の高層建築物であるパトゥー・サイ(中国の古い街によくある鐘楼のようなもの)。上に登ればヴィエンチャンの街を見渡せるほか、メコン河の向こうのタイも見える。

ワット・スィーサケート。ヴィエンチャンでは有名寺院はすべて観光施設である。拝観時間が役所の仕事時間に準じて決まっており、それ以外の時間は入れない。

タラート・サオ(朝市場、ヴィエンチャンで最も大きなショッピング施設)の東隣にある国営バスターミナル。建物もバスも日本政府が援助している。

メコン河をはさんだ対岸はタイ領である。ヴィエンチャンの真正面はタイ国ノンカイ県スィー・チェンマイ市であるが、両国を結ぶ往来はノンカイ市との間に設けられている。メコン河を越える友好橋(サパン・ミタパープ)が完成する前は、ノンカイ市の真正面にあるタドゥア村との間で渡し船が頻繁に運行されていた。[かつては往来で賑わっていたであろうタドゥア村の波止場から対岸のノンカイ市を望む]

タケーク


タケークの街の古い街並み。2階建てを越える建物はほとんど見られない。ここから10分も歩けば田園地帯が広がる小さな街である。[街の中心部に位置する噴水広場で]

正式名はカンムアン・ホテルであるが、この街ではよく目立つ4階建てであるため、単にスィーサン(”4階建て”)と呼ばれている。部屋代は12000Kip(約650円)。

タケークの対岸はタイ国ナコンパノム市。対岸の賑わいに比べて、こちら側は静かである。[日暮れ時に]

タケークから東側へ十数km行くと、石灰岩質の山が連なり、洞穴が点在する。そのうちのターム・パー・バーン・タームの洞穴内からの眺め。乾季の最終時期のため、地面は乾燥して埃っぽい。日中の気温は40度近くになるが、洞穴内は涼しい。洞穴内を飛び交うコウモリの鳴き声と、遠くの田んぼから牛の鈴の音が聞こえるだけの静かな空間である。

幹線道路にかかる橋は今でも多くがこのような鉄橋に板を渡したものである。乗っていた車は、タイヤの間隔が渡してある板に合わなかったので、渡り切るのに時間がかかった。

サワンナケット

サワンナケットは、ベトナム・ラオス・タイを結ぶ交通の要衝である。街にはベトナム人学校やベトナム式寺院なども多い。

サワンナケットのバスターミナル。

ここからはベトナム行きのバスも出ている。案内板の行き先欄の一番下はベトナムの首都ハノイ。いったい何時間かかって行くのだろうか。案内板には、ラオ語、英語、ベトナム語の順で書いてある。

バスターミナル内には乗り継ぎ客のための安宿もある。2000Kip(110円)ぐらいのようだ。中国の地方都市にも同様の宿(交通旅社)がある。

サワンナケットから15kmほど離れた村にあるターット・イン・ハン(寺院)。16世紀中頃の建立といわれている。


サワンナケットからパクセへ向かうバス。幹線国道ではあるが未舗装のため、200km余りに8時間かかる。運賃は、5000kip(約270円)。昼食のために小休止中。ピン・カイ(割竹に鶏を挟んであぶったもの、タイ語ではガイ・ヤーン)や飲料水を持った売り子が殺到する。蛙を四、五匹串にさしてあぶったものもある。

パクセ


ラオス最南端部チャンパサック県の県都パクセ。市場と船着き場の間の通り。特に午前中は近郊村落からの買出し客や農産物搬入で賑わう。船着き場前の広場には、トラックの荷台に座席を取りつけたバスや、バイクのエンジンでリヤカーのような荷台を引張る最大定員9名のジャンボ(タイ語ではトゥクトゥク)などが、それぞれの村へ戻る客を待っている。


パクセからメコン河沿いに南へ約30kmのところにあるチャンパサックを経て、ラオス南部に残る最大のクメール遺跡ワット・プーへ向かう。チャンパサックの近くでバスごと渡し船に乗ってメコン河を渡るところ。昼時に近かったので、渡しの上には鍋を並べたおばさんたちがいる。食べ物はカオ・プン(米の粉で練ったソーメン状の麺に、汁気のおかずを乗せて食べる。タイ語ではカノム・チン)。

ワット・プー


パクセからは40km余り、チャンパサックからは12km南西に離れたカオ山のふもとにある、クメール時代の遺跡ワット・プー(文字通りの意味は山寺)。朝7時半にパクセを出て、12時前にようやく辿り着いた。




ワット・プーからパクセへの復路は、メコン河のボートで。ボートがチャンパサックの岸辺に寄るのを1時間半以上待っていた。ようやくボートが下流から姿を現したが、通過しそうになったため、他の待ち客らとともに、手を振り、口笛を吹き、大声で叫んでようやく岸辺に寄ってくれた。チャンパサックからパクセまでは、メコン河をさかのぼって約2時間。道路事情がよくないので、水運の方がはるかに楽であった。船賃は2000Kip(約110円)。ざっと40人ぐらいの客と豚2頭、ヤシの実数百個が主な積み荷。[パクセの船着き場に到着したところ]


パクセから西へ約40kmのタイとの国境ソン・メック(タイ語ではチョン・メック)へ向かった時のタクシー。この動けばよいという年代もののタクシーに運転手も入れて9人乗り込む。乗り込む前にすでに6人乗っていたので次の車を待とうとしたが、まだ満車ではないということで押し込まれた。このタクシーに限らず、乗り物の定員は”乗れるだけ”である。国境をはさんだタイ・ラオス間の重要な陸運道路であるため、若干道路はましであった。国境まで1時間余りで到着。運賃一人2000Kip。[国境の手前数百mのところで。あとは国境まで徒歩。]


タイとラオスの国境地点。こちら側がラオスで向こう側がタイ。ラオ語の看板で「国境ラオ・タイ」(右上)、タイ語の路程柱で「ピブンまで44km、ワリンまで87km」(左下)とある。裏返しに見える看板(左上)には、反対側にタイ語で「国境タイ・ラオ」と書いてある。ここからピブンまで乗合バスで1時間、さらにピブンでバスを乗り換えウボン(ワリンとはムン河をはさんで対岸にある大都市)まで1時間の快適な道中であった。[国境地点チョン・メックで]

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