私の研究テーマ

大阪市立大学広報原稿より

研究テーマの移り変わり

私の最初の研究は、初の本格的なマイクロプロセッサである Intel8080(当時、1つ135,000円もしました)を3つ用いて、3台の ミニコンpdp-11を接続する計算機システムのアーキテクチャの 設計とOSの設計・製作でした。 OSはアセンブラ(機械語に近い低レベルの言語)で記述していた のですが、8080の命令セットが使いにくかった上に、3つの8080 を共有メモリ上の一つのプログラムで同時に動作させなければ ならなかったので、かなりたいへんな作業でした。 その後も、いくつかのハードウエアの設計やOSの研究をしていま したが、次第に研究の対象を、システムプログラム、マルチウィ ンドウシステム、ユーザインタフェースなどのアプリケーション プログラム寄りに移していきました。 この間の大きな出来事は、1982年の末にVAX11/780,750を手にいれ ることができ、情報科学の共通の研究基盤として重要であった UNIXが利用できるようになったことと、1985年にjunet(インター ネットの前身)に接続したことです。これによって世界的なレベル で情報交換ができ、かつ研究成果を共有できるようになりました。 早い時期にこれらの研究基盤を整えることができたことは、 その後の研究に役だったと思っています。

ユーザインタフェースに関する研究

さて、UNIX導入の頃から、マルチウィンドウシステムのもとで、 ユーザインタフェースの良いプログラムを簡単に作る方法等の 研究をしています。 ワークステーション上での作図ツールや、 画面上で計算機の回路を構成できる教育用計算機シミュレータ等の システムを作ってユーザインタフェースがどうあるべきかについて の研究もしてきました。 最近では、グラフ(棒グラフや折線グラフ等ではなく、グラフ理論 が対象とするような節点と枝からなるグラフのことです)を美しく 配置するための方法に関する研究、ワークステーション上で アニメーションを簡単に実現するための方法に関する研究、マル チメディアプレゼンテーションシステムのユーザインタフェース に関する研究などを主なテーマとしています。

教育用計算機の運用技術に関する研究

1992年から3年間、情報処理教育センターに席を置いた こともあって情報教育に深く関わるようになりました。 年間120を越える授業をこなす教育用計算機システムを円滑 に運用するのは容易ではありません。 たとえば、受講生がログインやメールの送受信を一斉に行 なった場合等にも、サーバ計算機にかかる過度の負荷に耐 えれねばなりませんし、学生の誤操作や意図的な破壊に対 して十分堅牢なシステムでなけれなりません。 また、授業を支援するための体制が極めて重要になります。 これには教職員およびボランティア学生等の人的支援が極 めて重要ですが、それに加えてコンピュータによる授業支 援システムも不可欠になってきます。 授業支援システムは、それぞれ授業について、開講時限・ 担当教員・受講学生等を事前に登録し、それに基づく 出欠の自動管理や、課題の提示・レポートの提出機能等 を提供することで、教員、学生、および、システム管理者 を支援するものです。 このような授業支援システムの実現上の様々な問題の 解決方法はあまり研究されていませんでした。これらの 問題を整理し、その解決方法を提案し、実際に支援シス テムを開発する研究を進めています。 科研費等の援助を 受けて研究を進めており、その成果の一部を本学のシステ ムに徐々に導入していくつもりです。