大阪市立大学の歴史
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40Ⅱ 商科大学昇格への道と第2・第3の源流 「学校の門戸を広く社会に開放し、市民にたいする工業知識の普及と指導に努めた」点も同校の大きな特色の一つとされている。具体的には、1910(明治43)年から年3〜4回開催された「幻灯応用通俗工業講話会」は、毎回400〜500名の聴講者があり、大阪市水道の話や昔の建築、珍しい機械、面白い発明、天文の話等々の課題を取り上げて、工業知識の普及につとめたとされている。また、1913(大正2)年5月の創立記念日を機に、「工業質問箱」が図書室内に設置され、一般営業者に対して工業化に関する質問に応じて答える制度を作っている。その後同年12月までの8ヶ月の間に、41名からの質問98件に回答を出した。質問者の内訳は、市内28名、府内2名、近県4名、その他東京・静岡・広島・愛媛・熊本・朝鮮などからの質問者もあった。(この質問箱は、その後、1916年表Ⅱ-5:市立大阪工業学校〈本科・選科〉規則(1907(明治40)年)概要学校全体の目的「工業学校規程に依り工業に従事せんとする者に須要なる教育を為す」こと選科授業料機械科と建築科では、教科1科目3円、2〜3科目5円、4〜5科目7円、6科目以上10円。分析科と家具科では、一律6円本科入学資格満14歳以上で、高等小学校卒業、またはそれと同等以上の学力を有する、品行方正身体健全な男子学科機械・建築の2科 (後年1910年からは後の応用化学科となる分析科が加わる)定員400名修業年限4年(文部省『工業学校規程』の年限延長限度いっぱいの年限)ただし、本科4学年において試験の上卒業同等以上の成績を得た者は臨時卒業あり授業料大阪市民は16円、それ以外は20円入学資格満12歳以上で、学校長が適当と認めた、品行方正身体健全な男子。大阪市の住民でない者も特別な事情がある場合入学を認める学科機械・建築・分析・家具の4科定員100名修業年限1年以上5年以下通俗工業談話会が開かれた講堂

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