大阪市立大学の歴史
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35商科大学昇格への道と第2・第3の源流 Ⅱく3年ずつ、生徒定員は、本科予科あわせて350名と50名増加した。 この頃、とくに「専門学校令」による改定以降、教職員の顔ぶれが充実し、教授内容の学問的色彩も著しく濃くなった。一方で、従来からの伝統でもある実習的要素が強い活動は、正規の課程外活動で行われていた。すなわち、校友会学芸部の活動である模擬商業会議所会等がそれであり、1つの問題を決めて提案し、それについて会議を進め議論を戦わせるというような活動であった。堂島校舎焼失と烏ヶ辻校舎新築 さて、前述のとおり加藤校長が再任された1909(明治42)年に、「北の大火」が本科生 模擬商業会議所会表Ⅱ-4:市立大阪高等商業学校〈予科・本科〉1904(明治37)年改訂規則概要目的「明治36年勅令第61号専門学校令第1条ニ拠リ内外商業二関スル高等ノ教育ヲ施ス所トス」課程本科・予科の2科に分ける定員本科・予科あわせて350名入学資格健康:身体検査に合格年齢:本科は「年齢満17歳以上」・予科は「年齢満14歳以上」学力:本科は、「中学校卒業又ハ専門学校入学者検定規程ニ依リ検定ヲ経タル者」・予科は「高等小学校卒業ニ中学校第2学年修了程度ノ英語ヲ加ヘタルモノ又ハ之ト同等以上」加えて、予科を経ないで本科に入ろうとする者には8科目・予科には7科目の試験を課す。(受験料は2円)修学年限本科:3年、予科:3年。このほか、甲種商業学校の学科を併置(別規程による)本科学科目商業道徳(1年のみ)、商業学、商業作文(1・2年)、商業算術(1・2年)、簿記、商品(1・2年)、商工地理(1・2年)、商工歴史(3年のみ)、経済、財政(3年のみ)、統計(3年のみ)、法律、工業要項(3年のみ)、英語(毎週7〜9時間)、第2外国語(清・韓・独の内1ヶ国語)、体操、の16科目入学金・授業料1学年20円予科学科目修身、国語及漢文(講読・作文及文法・習字:毎週7時間)、英語(毎週9〜10時間)、歴史(2・3年)、地理、数学、博物(1・2年)、物理及化学(2・3年)、図画(1・2年)、体操の10科目入学金・授業料1学年16円明治30年代末の学校風景甲種科生 堂島校舎模擬実践室

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