大阪市立大学の歴史
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33商科大学昇格への道と第2・第3の源流 Ⅱ点である。ちなみに、大阪に高等商業学校が設置されたことを受けて、東京の高等商業学校は、1902(明治35)年に「東京高等商業学校」と改称している。 校長には、そのまま加藤がついたが、その後、大阪市助役となっていた平沼元校長が再び校長職に就いたため、いったん職を退いた。その後、福島本勝教諭の校長代理、福井彦次郎(当時、大阪府立天王寺中学校長)の校長時代を経て、1909(明治42)年5月に加藤は再び校長となっている。 ところで、1899(明治32)年11月15日には、創立20年を祝う第1回創立記念式が開かれている。創立記念日については、大阪商業講習所が1880年11月に開所されていることは明らかであるが、詳しい開所日付については確認することができない。大阪府大書記官から文部卿にあてられた設置伺の文書では11月1日となっている。いずれにしても、創立20年を機に、創立記念日を11月15日と定めたのである。「専門学校令」の影響 さて、前章にて既に述べた1886(明治19)年の「帝国大学令」以降、帝国大学を頂点として高等教育機関が階層化されていったが、帝国大学以外は法制度的に体系的整備がなされていなかった。東京帝国大学総長から文部大臣に就任し表Ⅱ-3:市立大阪高等商業学校〈予科・本科〉1901(明治34)年改訂規則概要目的「明治32年2月文部省令第10号商業学校規程第1条第2項ニ拠リ内外商業二関スル高等教育ヲ施ス所トス」課程本科・予科の2科に分ける定員本科・予科あわせて300名入学資格「品行端正」「志望確固」「身体強健」であり、「年齢及学力」が本科の場合は「年齢満17歳以上ニシテ中学校卒業又ハ之ト同等以上ノ学力アル者」・予科の場合は「年齢満14歳以上ニシテ高等小学校(修業年限4ヶ年)卒業又ハ之ト同等以上ノ学力アル者」。加えて、本科は10科目・予科は9科目の試験を課す。ただし、大阪市内の高等小学校(修業年限4年)の卒業者で予科に入ろうとする者は、3科目以上を適宜試験する。(受験料は2円)修学年限本科:3年、予科:3年。このほか、甲種商業学校の学科を併置(別規程による)本科学科目商業道徳(1年のみ)、商業学、商業作文(1・2年)、商業算術(1・2年)、簿記、商品(1・2年)、商工地理(1・2年)、商工歴史(3年のみ)、経済、財政(3年のみ)、統計(3年のみ)、法律、工業要項(3年のみ)、英語(毎週9〜10時間)、第2外国語(清・韓・独の内1ヶ国語)、体操、の16科目入学金・授業料1学年20円予科学科目修身、読書、作文、習字、地理(1・2年)、歴史(2・3年)、数学、理科、図画(1・2年)、英語(毎週7〜9時間)、体操の11科目入学金・授業料1学年16円

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