大阪市立大学の歴史
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28Ⅱ 商科大学昇格への道と第2・第3の源流等な学校であると定め、本科2年制の3年制への延長、別科の廃止、高等科の専攻科への改編などが制度上の大きな変更点であった。とくに、専攻科は専門教育のための機関としての性格が濃く、その後の高等商業学校の前身として位置づけられるものであった。 『日本近代教育百年史』の分類によれば、明治初期の代表的商業教育機関は、大まかに4種類に分けると、公設類型・ギルド類型・企業類型・補習類型に分けられるとされている。その4類型のなかでは、本学源流の大阪商業講習所は、東京商業学校(商法講習所)・神戸商業講習所・岡山商法講習所・赤間関商業講習所などとともに「公設類型」に分類されている。その後、この「公設類型」の各校は、「商業学校通則」に基づき第1種校となり(ただし通則が定められた段階で廃校となっていた岡山以外)、「ギルド類型」に分類されていた横浜商法学校および新潟商業学校(北越興商会新潟商業学校)も第1種校、さらに当時新表Ⅱ-2:市立大阪商業学校〈予科・本科・専攻科〉1899(明治32)年改訂規則概要目的「明治32年2月文部省令第10号商業学校規程第1条第2項ニ拠リ内外商業二関スル必須ノ教育ヲ施シ将来商務ヲ経営処理スヘキ者ヲ養成スル所トス」課程予科・本科・専攻科の3科に分ける修学年限予科:2年、本科:3年、専攻科:1年定員予科・本科・専攻科あわせて約500名専攻科入学資格「品行端正」「志望確固」「身体強健」「年齢14歳以上」であること。予科1年には修業年限4年の高等小学校卒業以上の学力を有する者とし、別に9科目の学力を試験する。ただし、大阪市内の高等小学校卒業の場合は、英語のみの試験。本科1年には、官公立中学校もしくはそれと同等以上の学校の卒業者を入学させる。(また、専攻科へは、本科卒業者でさらなる学習を希望する者を入学させる。)(受験料1円)内容本科卒業後特に商業に関する1科目もしくは数科目を専攻しようとする者のために高等の学科を授ける学科目経済、法律、英語、第2外国語(随意科目)の4科目とし、そのほかに、商業慣習、銀行業務、鉄道業務、海漕業務、保険業務、倉庫業務、紡績業務等の内、1科目もしくは数科目入学金・月謝1学年12円予科内容本科に入るべき必須の学科を教える学科目倫理、読書(1年のみ)、作文、習字、地理、歴史、数学、物理、化学、図画、英語、体操の12科目入学金・授業料1学年10円本科内容商業専門の学科を授ける学科目倫理、商業作文、商業算術、簿記、商品、商工地理、商工歴史、経済、法律、商事要項、商業実践、工業大意、統計、英語、体操、第2外国語(随意科目)の16科目入学金・授業料1学年12円

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