大阪市立大学の歴史
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25商科大学昇格への道と第2・第3の源流 Ⅱられたことがわかるだろう。とくに、学期試業(学期末試験)と大試業(大試験)の規程が詳細に定められている。本科と高等科は、最後の学期試業の前に「商業ニ関スル事項」についての「論文」作成が課されている。 学校制度上の大きな変更は、従来の予科・本科各2年の上に、1年制の高等科と2年制の別科が設けられた点である。高等科は「尚深く研究しようとする者」のために設置され、別科は、「実地の商務に必要な学科を速習させる」ためのものとされていた。 また、科目上での変更点は、予科に倫理が加えられ、和漢文が読書にかわり、理化が物理・化学・博物に分かれたこと、そして、本科の統計が省かれたことである。新たに加わった高等科では、第2外国語が置かれ、語学教育が重視さ表Ⅱ-1:市立大阪商業学校〈予科・本科・別科・高等科〉1893(明治26)年改訂規則概要目的「主トシテ内外商業ニ関スル必須ノ教育ヲ施シ将来商務ヲ経営処理スヘキ者ヲ養成スル所トス」課程予科・本科・高等科・別科の4科に分ける。(全ての科で1学年1学級)修学年限予科:2年、本科:2年、高等科:1年、別科:2年定員予科・本科・高等科・別科あわせて大よそ500名別科入学資格満14歳以上で、「品行端正」「志望確固」「身体強健」であること。予科1年と別科1年には試業科目に拠り其学力を検定する。本科1年には、府県立尋常中学校もしくは尋常中学校と同等と認可された商業学校卒業者を入学させる。また、高等科へは、府県立尋常中学校と同等以上と認可された商業学校の卒業生で入学を希望する者は適宜「案件」して入学させる。(受験料50銭)授業時間目的実地商務に必要の学科を速修させる学科目倫理、読書(1年のみ)、習字、作文、商業算術、簿記、商事要項、英語、(商業)実践(2年のみ)、体操の10科目入学金・月謝1学年10円毎週33時間予科内容本科に入るべき必須の学科を教える学科目倫理、読書(1年のみ)、習字、作文、数学、地理(1年のみ)、歴史(2年のみ)、図画、物理(1年のみ)、化学(2年のみ)、博物(2年のみ)、英語、体操の13科目入学金・授業料1学年7円本科内容商業専門の学科を授ける学科目商用作文、商業算術、簿記、商品(1年のみ)、商業地理(1年のみ)、商業歴史(2年のみ)、経済、法規、英語、商業実践(2年のみ)、体操の11科目入学金・授業料1学年10円高等科内容尚深く研究しようとする者のために高等の学科を授ける学科目簿記計算、商事要項、経済、法律、英語、第2外国語(先ず支那語を置き西語・仏語・独語等を適宜設置しその1カ国語を選修する)、体操の7科目入学金・月謝1学年15円

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