大阪市立大学の歴史
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169 21世紀を迎えて奮闘する大阪市立大学 Ⅶ成するタンパク質複合体の構造が明らかにされた。この成果を受け、太陽光の高効率捕集・エネルギー伝達を連動させた「人工光合成膜デバイス」(太陽光+水から電子を取り出す機能)の完成を目指すとともに、太陽光エネルギーから得られた電子を使い二酸化炭素から、メタノール等のアルコール燃料を生成する「新規触媒」の開発を進めていること、これら「人工光合成膜デバイス」および「新規触媒」を融合することにより「ハイブリット光合成モジュール」(太陽光+水+二酸化炭素から、アルコール燃料を生成する装置)の開発・実用化に向けて効率的な企業等との産学官連携研究に取り組んでいる。 次に、2013年夏に、うめきた「グランフロント大阪」ナレッジキャピタル内に、健康科学イノベーションセンターを設置した。このセンターでは、単に大学・研究機関からの健康科学に関する研究成果を披露・発信する場として活動展開するのではなく、「みんなで“拓く”健康科学イノベーションの“ベースキャンプ”」をスローガンに、産・学・官・医・消費者が一緒に連携できる健康科学推進拠点を創ることを目標にしている。開設以来、健康維持・先制医療への先進的取り組み(健康科学研究)に関する発信に加え、簡易疲労測定機能を用いたパイロットプロジェクト(試験的事業企画)“健康見守り隊”の実施や、他大学・研究機関(学学連携)、企業(産学連携)、さらには、医療機関等との連携を通じた健康科学領域の新たな成果や製品・サービスの創出等を進めている。 以上の産官学連携活動を支えるために、2015(平成27)年2月、ユニバーサル・リサーチ・アドミニストレーション(URA)制度を導入して活動を進めている。研究者とともに、研究活動を組織として円滑に実施するための業務全般を担う専門職で、政策情報等の調査分析や研究力推進施策の実施(研究戦略推進)、大型外部資金の獲得のための研究戦略企画(Pre-Award)、人事・予算管理・報告書作成などの研究プログラムの推進(Post-Award)などの業務を執行する。2020(令和2)年4月現在、学術・研究推進本部に所属して、大阪市立大学の学術・研究活動をリードしている。 第2に、地域貢献については、2013(平成25)年1月、第2期中期計画の重点戦略の1つである地域貢献に関する拠点として地域連携センターを設置して、学内外において十分な連携がなされず、個々の所属で行われていた地域貢献活動を全学的に情報共有、集約化し、効果的な情報発信を行っている。

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