大阪市立大学の歴史
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168Ⅶ 21世紀を迎えて奮闘する大阪市立大学 第3に、男女共同参画計画を進めている。2014年6月、女性研究者表彰制度を設け、その副賞として、前身である大阪商科大学1950年度卒業生の岡村千恵子氏からの教育後援会への寄付金を原資とした「岡村賞」を準備した。 2015(平成27)年10月、男女共同参画推進宣言「大阪市立大学は、次の基本方針に基づき、ダイバーシティの視点からあらゆる人々が互いの多様性を認め合い、等しく知にひらかれ、等しく尊重され、個々の能力をのびやかに発揮できる環境整備に努めるとともに、男女共同参画社会の実現に積極的に寄与することを宣言する。」を実践している。 第4に、模索しつつも着実に学内の情報システムを整備してきた。「必要な人に、必要な情報を、必要な時に」提供できる環境の整備の方向性を強めようと、2012(平成24)年4月、大阪市立大学ICT化基本構想を発表して、「どこでもネットワークに接続できる」ユビキタスな環境の提供、適切なセキュリティの確保やレスポンスの確保をめざした。2014(平成26)年5月、教育用PCの更新に関するXP問題を端緒に、ユーザー視点に立脚した情報基盤構築を実施するため、教職協働の専門組織「情報基盤センター」を設置するなど情報システムを大きく進展させた。新型コロナウイルス対策としての2020年度遠隔授業の推進に当たり、情報基盤センターは積極的に活動している。 なお、長く大阪市立大学の象徴だったワシントンヤシが、残念ながら2017(平成29)年6月に伐採された。約60年の年月を経ておよそ23mにまで成長し、樹木としての寿命に達していると考えられ、強風時に幹が折れたり、葉や葉柄などが落下する危険性が強まってきたことが理由である。大阪市立大学は学外に対してどのように対応してきたのか 第1に、産学官連携活動として、まず2013年4月に人工光合成研究センターを設けた。これまでの大阪市立大学での人工光合成研究の成果により、これまで「不明」とされていた植物において、水と二酸化炭素から、酸素と糖類を生(2017年6月伐採前のワシントンヤシ)

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