大阪市立大学の歴史
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164Ⅶ 21世紀を迎えて奮闘する大阪市立大学に当たって、この授業評価アンケートの結果を参考にしている。 第2に、全学共通教育棟1階815号教室隣(8号館 旧自習室)にOCUラーニングセンター(学修支援推進室)を設置して、OCUラーニングセンター専属の特任教員およびTA・SAの2人による「一般学修相談」を初め、英語教育開発センターや理学研究科・数学研究所と連携して、希望する学生への「英語学修支援」や「数学学修相談」などの学修支援を行っている。 なお、「ひとりで悩む学生へのサポートを充実する」ため、学生なんでも相談窓口を2014(平成26)年1月より学生サポートセンター1階に設置している。どこに相談に行っていいか分からない学生に対して、軽易な内容についてはその場で助言及びサポートを行う。悩んでいて精神的に追い込まれている学生に対しては個別の面接等により適切な部署や関係機関を紹介したりして、急を要する場合はカウンセリングルームの予約を取るなど迅速に対応している。このほか、2016(平成28)年12月から、「学生の命を守る大学力強化検討会議」が設置されて、学生の命を守る大学としての能力をより一層強化している。大阪市立大学は、できるかぎり、学生に「寄り添う」ことを目指している。 第3に、英語教育はより進展した。前述したように大阪市立大学の英語教育は革新されたが、学生によるアウトプットの時間の決定的な不足、1年生週2時間、2年生週1時間の英語クラスの非効率なカリキュラム、明確な到達目標の未設定、高い非常勤講師依存率でPDCAサイクル(plan:立案・計画、do:実施、check:検証・評価、action:改善)を回しにくいといった課題が出され た。これに対して、共通のテキストおよび共通シラバスの利用の推進、「市大英語」の到達目標の明確化、全学英語教育を1年次に集中して授業を展開し(必修6単位)、2年次以降は自由選択科目ACE(改訂)の利用と英語による全学共通教育科目や専門科目の受講に進めること、クォーター制の導入による、週2時間のインプットからアウトプットへの連続性の確保、学内で日本人学生が海外からの留学生やネイティブ教員と自由に随時語り合えるような英語専用スペースの確保が提案された。 特に、到達目標としては、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages;ヨーロッパ言語共通参照枠)という、2001(平成13)年に欧州評議会によって発表された、外国語能力の参照基準におけるB1相当レベル(自

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