大阪市立大学の歴史
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162Ⅶ 21世紀を迎えて奮闘する大阪市立大学(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)を一体的に策定し、各大学における教育の不断の改革・改善に向けたサイクルの起点とすること、アセスメント・ポリシーに基づいて評価することが述べられている。 大阪市立大学では、特に以上の文部科学省の政策に則り、教育の成果を「見える化」した。学士学位プログラムの学修マップ(大阪市立大学の各学士学位プログラムで、学生が4年ないし6年間でどのように学び、何を身につけることを期待されているかを見やすく示したマップ)の改訂とネットでの公開(2013年5月)、大阪市立大学の3ポリシーの制定(2015年3月)、学修成果の取りまとめ(2016年9月、2017年12月)を行った。 具体的な成果として、第1に、大学教育再生戦略推進費大学教育再生加速プログラム(AP)「高大接続改革推進事業 卒業時における質保証の取組の強化」の支援を受けて、直接評価指標を活用した学生の学修成果の評価を作成した。各授業においてディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーに即した到達目標をシラバス等で提示し、それに則した厳格にして適切な成績評価を反映した、学生の学修成果評価指標であるOCU指標を導入した。 図Ⅶ-2のように、大阪市立大学ではOCU指標の6つの学修成果を定め、成績評価グレードポイントGPはAA(90点以上)=4、A(80点以上)=3、B (70点以上)=2、C(60点以上)=1としたうえで、科目αについて、例えば、各学習成果についてA:3、B:2、C:2、D:1、E:1、F:3とした場合、図Ⅶ-3のように産出し、単位修得した科目の学修成果の累計を、図Ⅶ-4のようにOCU指標レーダーチャートへとまとめるものである。この指標を利用することで、各学年の途中で現在の学修状況と自分が希望するキャリアのために身につけるべき学修成果を見比べて今からどのような能力を身につけるべきかを考え、その足りない部分を補うためにどのような授業科目を履修すれば良いのか知ることができるのである。

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