大阪市立大学の歴史
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161 21世紀を迎えて奮闘する大阪市立大学 Ⅶ回(学長が必要と認めるときは随時開催)、会議は非公開で(ただし終了後議事録が公表される)、教育研究評議会の審議事項に関する事項(ただし、経費や人員配置を含むものは役員会事項とする)、その他大学運営に関わる重要事項を審議決定することになった。大阪市立大学の教育システムはどのように再編成、整備されたのか 以上の新大学に関する議論のほか、2010年代にも進められた文部科学省による新たな大学改革、教育改革も、本学のあり様に影響を与えている。こちらについても、若干確認をしておこう。 第1に、学位プログラムの整備については、中央教育審議会が「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」(2012年)にてその方向性を示した。 第2に、学長のリーダーシップのもとでの戦略的な大学運営を実現するガバナンス改革が指向され、教授会の位置付けが、学校教育法及び国立大学法人法の一部改正(2014年6月)によって明確に示され、学長は教授会の意見に拘束される存在ではないこととなった。 第3に、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的な改革について、中央教育審議会が「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」(2014)を示した。「ゆとり」か「詰め込み」かという二項対立的な議論を超えて「基礎的な知識及び技能」「それらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力」「主体的に学修に取り組む態度」という、3つの重要な要素(いわゆる「学力の三要素」)から構成される「確かな学力」を育むことが重要であることや初年次教育の重要性、英語教育のポイント等が明確に示されたこと、具体的に新テスト「高等学校基礎学力テスト(仮称)」、新テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入することが決定された。但し、2020(令和2)年4月現在、この新テストはシステムの不備等の種々の理由で実施されていない。 第4に、学士課程教育のあり方については、中央教育審議会が「『学位授与の方針』(ディプロマ・ポリシー)、『教育課程編成・実施の方針』(カリキュラム・ポリシー)及び『入学者受入れの方針』(アドミッション・ポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン(素案)」(2016)を示した。そこでは、3ポリシー

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