大阪市立大学の歴史
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151 21世紀を迎えて奮闘する大阪市立大学 Ⅶことである。 実際の大学運営を行うために、教育推進本部(大学の教育の統括と全学共通教育と専門教育の有機的連携を図る)、研究推進本部(各研究科における研究の活性化と本学を特色づける重点研究、都市問題研究などを推進)、地域貢献推進本部(市民講座や高大連携事業の開催、地域活性化といった地域貢献を積極的に推進)、産学連携推進本部(研究系外部資金の獲得や民間企業との共同研究、受託研究の推進、知的創造サイクルの基盤強化など組織的な産学連携活動を推進)、国際化戦略本部(国際的な研究交流活動や学生の国際交流等に関する戦略策定を実施)といった推進本部体制を構築した。 特に、以前から重視されていた国際化に関しては、2011(平成23)年9月、向こう3か年に優先的に実行すべき施策と実施スケジュールを明示した「国際化アクションプラン」を策定し「これを確実に実行していくことにより、魅力溢れる、そして社会にとって力強い国際的な大学をめざすとともに、あわせて大阪市の国際化の質的向上に寄与していく」こととした。 大阪市立大学は、公立大学法人化前から、第1にすべての部局に共通する大学院重点化、第2に部局定員の変更を伴う全学レベルの再編、第3に学生向け事務体制の再編を進めてきた。この点を確認しておこう。 第1の大学院重点化とは、全学部が大学院を部局とする組織に変更された。その結果、教員の所属は学部から大学院研究科に移行し、大学院研究科長を部局での長、研究科教授会を部局での議決機関とした。 第2の再編とは、創造都市研究科、法科大学院、大学教育研究センター、英語教育開発センター、都市研究プラザ、複合先端研究機構の設置が挙げられる。創造都市研究科は、そもそもは第2部(夜間過程)のあり方から出発した議論が結実した。同研究科は経済研究所の多くの教員が異動して新設された社会人大学院で、大阪市立大学の既存の大学院研究科では取り上げられてはこなかった「都市」をキーコンセプトに「都市ビジネス」、「都市政策」、「都市情報」という政策学の3領域に焦点を絞り都市の求める高度機能を研究するものとされた。キャンパスは、文化交流センターのある大阪駅前第2ビルの梅田サテライトで、21世紀の都市機能が要求する諸問題の探求とその解決を志向する実学志

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