大阪市立大学の歴史
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145 「第2世紀」を迎えた大阪市立大学 Ⅵは、年間所得「200万円〜400万円」、「400万円〜600万円」が大きな割合を示していたのに対して、次第にその層の割合が下がり、90年代半ば以降「800万円〜1000万円」、「1000万円以上」の割合が大きくなっている。本学学生の家庭の所得水準は上昇したといえよう。とはいえ、2003(平成15)年版では、社会の状況を反映してか、それまでの所得水準上昇に逆行するような向きを示している。 学生の悩みについては、図Ⅵ-3のように、友人関係等は下落し、就職や将来への不安が上昇している。大学卒業後の社会生活に不安を抱いている学生が多いといえよう。大学として、学生が不安を感じないように、自らでキャリアデザインを学ぶことのできる場を充実させる必要があるだろう。 本学は基本計画を策定し、大学設置基準の大綱化等、国の大学政策にも柔軟な対応をしてきた。またこうした改革を進める前提として、長年の懸案だった学生寮問題を解決したことが大きかった。順風満帆、といえる時期を迎えたかに思えたが、新たな試練の時期を迎えることとなる。章を改めて論じよう。

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