大阪市立大学の歴史
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128Ⅵ 「第2世紀」を迎えた大阪市立大学ルを形成し、豊かな社会生活を営む上での資質を育成することを目的とした。 また、セメスター制導入で2単位科目の導入を可能とした。社会の動向にあわせて週5日制を採用し、シラバスを導入した。なお、この時授業評価アンケートを実施した結果過大クラス問題が明らかとなり、履修制限の措置をとった。 以上の教育内容の改革にあわせて教務体制も再編された。それまでの教養部と教務部を再編成して全学教務部とし、全学共通教育に関する企画・運営・実施と、教育に関して必要な学部間の調整を行うことになった。従来の教養部運営委員会と教務委員会を統合して全学教務委員会を設置し、その専門委員会として、全学共通教育のカリキュラムの自己点検及び全学的な意見の交換と調整を行い、カリキュラムの改革と作成を全学教務委員会に提言する全学共通教育カリキュラム委員会を設けた。また各教科ごとに、教科担当教員による教科会議を設置してカリキュラムの改善を検討することになった。 以上の教養教育体制が再編されたものの、授業そのものは過密状態であったり、大教室での少人数授業を余儀なくされ、双方向型・少人数教育に適した教室はないに等しかった。このため、改めて総合教育棟の整備が求められた。各学部・研究科の再編・統合 基本計画に盛り込まれたように、1980年代末からそれまでとはまったく異なって部局の再編が進められた。実現にはいたらなかったが、1993(平成5)年から94(平成6)年にかけて理系大学院構想が検討された。特に、理系学部において、社会情勢の変化に対応しようと再編成が行われた。 工学部では、1989(平成元)年廃止の原子力基礎研究所の教員受け入れに伴って2学科を新設した。情報工学科と生物応用化学科である。その後、工学部では、知的材料工学科、環境都市工学科を設け、合計10学科を1998(平成10)年に3専攻(物理・エネルギー工学専攻、材料・物質工学専攻、環境都市・建設工学専攻)に改組した。 理学部では、1994(平成6)年に物質科学科を新設し、地学科を地球学科に再編した。また、1998(平成10)年にそれまで数学、物理学、化学、生物学、地質学の各専攻から構成されていた理学研究科を数物系専攻、物質分子系専攻、生物地球系専攻の3専攻に再編した。

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