大阪市立大学の歴史
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127 「第2世紀」を迎えた大阪市立大学 Ⅵの創造」については、例えば教養教育体制の改革がある。1991(平成3)年2月の大学審議会答申「大学の教育の改善について」に基づき同年6月大学設置基準が大綱化された。大学設置基準大綱化における教養教育については、従来の授業科目区分、つまり人文科学、社会科学、自然科学からなる一般教育科目、外国語科目、保健体育科目、専門教育科目という区分の廃止、一般教育科目と専門教育科目の有機的連携と4年間一貫教育等が示されていた。それを受けて本学では1991(平成3)年10月以来、教育課程改革委員会を中心に議論された。具体的には、学部教育の授業科目を全学共通教育科目と学部専門科目に分けた。その際全学共通科目の目的として、以下をあげた。 全学共通科目は、全学の学生に提供あるいは、開放された科目という意味であって、入門的・概論的な科目を中心とした従来の「教養科目」とは異なるものである。全学共通科目は次のような目的をもつ。(a)人間と宇宙について、その意味を問い直す。(b)大学教育全般に共通する、基礎的な知識をもたせる。(c)教養人としての倫理的な問いを行わせる。(d)細分化する知識の総合化を行わせ、総合的・人間的な判断力を養成する。(e)自国の文化を越えて地球的視野をもたせる。 そして、全学共通科目を総合教育科目、基礎教育科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目から構成されるとした。総合教育科目とは、大学教育全般の基礎となる学習・研究能力の開発、専門知識を含む総合的な判断力の育成、普遍的人間の形成及び社会人としての教養の修得等を目的とした。基礎教育科目とは、主に理系の学部において専門教育のための原点、広い意味での基礎として体系的修得が望まれる基礎的学問分野に関する授業科目とされた。外国語科目は、語学力、自国以外の文化の理解、学問研究のための情報交換、外国人とのコミュニケーションの手段、将来の職業上の必要等総合的な見地から実施されるとした。健康・スポーツ科学科目とは、健康と体力増進に関する科学的知識と個人に応じたその実践方法を修得するとともに、生涯を通じてよりスポーツに親しみ楽しむことができるように、スポーツ科学の知識の修得と個人の体力や能力に応じたスポーツの実践能力を高めて健康的で活動的なライフスタイ

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