大阪市立大学の歴史
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126Ⅵ 「第2世紀」を迎えた大阪市立大学本・阿倍野の現キャンパスの再開発を中心に形成し、都心部および臨海部へのキャンパス分散を含めることを基本にした。そのうえで、①国際化・情報化・成熟化・学問の高度化に対応した特色ある教育システムの創造(学部学科体制の改革を伴った、セメスター制の導入にみられるような総合的、効果的な教育システムの確立と教育施設の整備等)、②高度化と社会化を目指した大学院と研究体制の整備・改革(総合理系研究科の設置、都市研究に関する横断的大学院コースといった大学院教育の充実と拡大等)、③双方向型国際交流ができる大学づくり(学生、教員・研究者の国際交流システムの整備による大学の国際化体制の構築)、④パーク・ユニバーシティーをめざすキャンパス整備(キャンパス・アメニティの向上と、インテリジェント・コアとしての新営中央図書館の建設、教養地区の整備と教養総合教育棟の建設等)等を内容とした。 以上の基本計画に対して、大阪市は好意的に受け取った。なぜなら、従来みられなかった長期的で系統的な大学づくりの方針を示すものだったからである。そこで大阪市1991年の「大阪市総合計画・ステップ21」に大学に関する記述をこれまでになく多く組み込み、大学が用いた「都市総合大学」という概念は「都市型総合大学」とアレンジして取り入れられて(これを受けて大学側も「都市総合大学」を「都市型総合大学」に改めた)、予算措置を講じた。 さて、それでは基本計画で盛り込まれた内容がどのように実現していったのかを節を改めて触れよう。2.教育研究体制の改革教養教育体制の改革 「国際化・情報化・成熟化・学問の高度化に対応した特色ある教育システム「大阪市立大学基本計画」表紙

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