大阪市立大学の歴史
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119 諸困難のなかで進められた総合大学としての本格的な整備 Ⅴ5.大学紛争後の学生の動向共通一次試験の開始 1978(昭和53)年度から共通一次試験が開始される。その背景とは、第1に、1960年代に大学進学率が急上昇する一方で、大学側が新入生の英語、理科等の基礎学力が低下したのではないか、との疑問を抱いたことである。「大学教育を受けるのにふさわしい能力と素質のあるもの」の選抜を願った。第2に、東京大学における新たな入試制度の採用である。東大では、一次試験で、高校教育課程を十分かつかたよりなく履修したか否かを客観テスト方式ではかり、二次試験において、大学教育を受けるにふさわしい適性・能力を判定するための論述問題を出題する方向が示された。第3に、高校側が、大学紛争の理由の1つが大学受験準備教育の日常化ではないかとし、その緩和を要請したことである。第4に、大学入試の一期校・二期校制を一元化しようとしたことである。以上のような背景をもって共通一次試験は開始された。0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%1970197219741976197819801982198419711973197519771979198119831985その他海外西日本計東日本計大阪府以外の近畿計大阪府計図Ⅴ-2:出身地別合格者の推移(1部)注)「大阪府以外の近畿地方計」とは、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県、三重県の合計、「東日本計」とは、北海道、東北、関東、中部の合計、「西日本計」とは、中国、四国、九州の合計出所)『大阪市立大学百年史・全学編』、1180-1181頁より作成。

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