大阪市立大学の歴史
127/220

113 諸困難のなかで進められた総合大学としての本格的な整備 Ⅴの方式に関する事項、Ⅶ)その他教育・学習に関する重要事項事前合議にもかかわらず、各決議機関でなされた決定に対し学生がわが不満をもつときは、所定の期間内に一定の手続きをへて異議を申し立てることができる。第3章 研究教育体制第1節 研究・教育組織身分的職階制を廃止し、研究・教育・管理・運営における教員間の支配機構を廃する…現行の講座制は解体し、それに代わるべき新しい研究と教育の単位を編成する。原則として研究単位と教育単位を一致させるものとする。第2節 教育体制教養科目の重要性にかんがみ、教養教育課程と専門教育課程とを時期的に分離せず、かなりの程度に重複、平行させながら実施する方式にあらためる。これによって学生は精神的な受容能力の発達に応じて、教養科目を選択履修することができる…専門教育課程の改善および充実は、研究・教育組織の再編成をまって、学生と協議しながら、漸移的に実施するが、基本方針として2、3の点をあげる。知識のつめこみ、職業教育化の傾向を反省し学科目の内容の精選に努力する。入学当初から、教養科目担当者以外の学部全教員と学生との接触の機会をできるだけ多くし、ある程度の専門教育を平行的に実施する。第4章 産・官学協同問題大学における教育の目的は、現存社会が要求する単なる高級労働力の養成ではなく、真に社会の進歩に役立ちうる人材の養成にあることを銘記して、大学ほんらいの教育目的を見失わないようにつとめる。同時に、大学における研究は、大学固有の特質をもち、研究の分野における大学の社会に対する貢献は、なにより研究上のこの特質を通じておこなわれることを忘れないようにする。 以上のような改革案によって、全共闘運動のいう「帝国主義大学政策」との批判に応えようとした。この「7.3改革案」に対して、教員は紛争解決の「切り札」となることを期待した。しかし、「協力者」と規定された職員からは否定的評価を受け、封鎖をしている学生はおろか、一般学生の評価もはかばかしくなかった。もう一方で、8月8日「大学の運営に関する臨時措置法」が成立し

元のページ  ../index.html#127

このブックを見る