会計は極めて保守的な学問領域といわれています。1960年代に事務処理用コンピュータが登場して以来、会計とコンピュータは密接な関係を保ち続けてきました。それでも500年以上の歴史を誇る複式簿記の計算構造は微動だにしませんでした。しかしながら、近年の情報技術の進展は、保守的な会計領域に対し確実に影響を与えています。
これまで会計情報の伝達は、有価証券報告書など紙媒体によってなされてきましたが、最近ではインターネットなど電子媒体によっても行われるようになっています。電子媒体は情報の再利用を簡単にし、個人レベルで高度なデータ処理を可能します。その結果、より生のデータに近い詳細な会計情報の提供を望む声が多くなっています。
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一方、高等数学とコンピュータを駆使して次々と新しい金融商品が開発されていますが、これに対する適切な会計処理方法がまだ確立していないため、企業の利益を的確に把握することができません。いずれにしても現行の会計情報の開示制度では、このような状況に対し十分に対応できていないのが現状です。
これらの問題に対して、理論的な側面からどう答えていくかが今後の会計研究の課題といえるでしょう。500年の伝統をもつ複式簿記の計算構造そのものの変革が今、様々な局面で問われようとしているのです。
(坂上 学 助教授)
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