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21世紀の外科手術
- 内視鏡外科手術からrobotic surgeryへ -
 腹腔鏡下外科手術は、1987年フランスのMouretらがテレビモニターの腹腔鏡像を見ながら胆嚢摘出術に初めて成功した比較的新しい手術方法です。この手術はモニターを見ながらの手術であることからNintendo Surgeryと見出しに書いた米国の新聞もありました。その後、米国で各種の腹腔鏡下外科手術用の機器や処置具が開発され、急速に発展、普及しました。この理由には、腹腔鏡下外科手術がminimally invasive surgeryであること、良好な術後QOL(quality of life)、美容的にも優れていることなどが挙げられます。  本邦でも、1990年頃から盛んに行われるようになり、最近では腹腔鏡下胆嚢摘出術は外科手術の定型的手技と認識されるに至っています。さらに、腹腔鏡下胆嚢摘出術の手技はその他の手術に共通した基本手技を多く有していることから、この手術を数多く経験した外科医は胆嚢摘出以外の手術に対しても挑戦するようになっています。
 教室では、腹腔鏡下胆嚢摘出術以外に、食道腫瘍、食道裂孔ヘルニア、早期胃癌、胃粘膜下腫瘍、大腸腫瘍や憩室、鼠蹊ヘルニア、副腎腫瘍、小骨盤腫瘍、肺腫瘍や胸腔内腫瘍など手術適応を考慮しながら積極的に内視鏡下外科手術を実施しています。研究面では、手術が容易に、短時間で確実に実施でき、適応拡大を目的として、豚などを用いた実験研究も併せて行っています。また、手術機器の進歩は著しく、教室でも気腹を要しない腹壁吊上げ方式の機器、超音波凝固切開装置、レーザーメス、安全で高速、高流量の気腹器や立体映像システムなどの最新の機器を導入、使用しています。さらに現在、触覚センサーなどの開発も進んでおり、腹腔鏡下外科手術は従来の手術に近い感覚での手術が可能になりつつあります。
     (長山 正義 第一外科助教授)

富士原 知史 (大学院博士課程外科学専攻)
 内視鏡外科手術は現在、発展途上にあり、最終目標はcomputerによって手術機器が完全にコントロールでき、外科医はモニターをみながら、手術の進展具合の管理と調整を行うことにより、緻密で正確な手術を可能にする21世紀の外科手術、robotic surgeryであると考えております。このため、現在、内視鏡外科手術の基本からその応用へとトレーニングを進めている最中であるが、将来性のある興味ある分野です。



本学部では戦中・戦後を経て今日に至るまで、常に大阪市民の保健・医療体制の整備・充実を図る中枢機関として、 特に予防医学および公衆衛生を重視した研究・医療活動を行ってきました。現在の構成は、基礎系14講座・5研究室・ 1研究部門・2施設に、臨床系17講座・1研究室・大学院5専攻。さらに附属施設として、附属病院、 附属刀根山結核研究所、附属看護専門学校を擁する一大組織として、常に最新の医学・医療に取り組み、 毎年優れた医師・研究者を輩出しています。
平成10年4月には、新学舎(教育研究棟)の完成により、附属病院を含めた医学部キャンパスの整備が進み、 今後の教育・研究により一層の充実・発展が期待されます。

望まれる医師像とは、高度の医学的知識と技術およびそれを実践する行動力に加え、人の持つ痛み、悩みがわかり、 さらにわかろうとする温かい気持ちを持つ人であると考え、本学部ではこのような学生の育成に当たっています。 本学部では、平成6年度からの本学の教育課程改革に伴い、6年間の一貫教育を行うこととし、臨床教育の充実を はかるため、一般教育を1年間とし、専門教育「基礎医学(2年間)、臨床医学(3年間)」を5年間としました。 基礎医学教育の特色としては、医師の活動の場が国際的になってきていることから、外国人講師による「医学英語」 を開講していること、また、医学研究の一端に触れる期間として「修業実習」を設け、基礎医学教室で特定の テーマについて、教員の指導の下に学生自ら研究・実験していることがあげられます。
臨床医学教育は、臓器別講義の導入、講義時間の大幅な短縮および臨床実習の方法変更と実習時間の増加を行いました。 具体的には、講義は従来の内科・外科といった講座ごとではなく、消化管、循環器、内分泌・代謝といった 臓器別のテーマを複数の講座で担当する講義を行うこととし、また、臨床講義計画書で学習目標や最低到達目標等を 明らかにし、自己学習の便をはかる工夫をしています。臨床実習は、講義とは全く切り離され、講義期間が終了後、 5・6年次に集中して終日行われます。臨床実習の形態はクリニカル・クラークシップ(学生が病棟に所属し、 医療チームの一員として患者の医療に携わる実習方法)で行い、自己の学習動機を与えることを重視しています。

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