生活科学部
Faculty of Human Life Science
「人間らしい生活とは何か」を科学的に追及し、実践する。

Faculty of Human Life Science

田中 善朗 人間福祉学科 4回生

◇私は元々バリア・フリーの街づくりに興味がありましたが、 福祉は街づくりだけでは十分とは言えないと思うようになり、本来、福祉 とはどのようなものなのかを学びたくて、人間福祉学科を選びました。
◇大学の授業では、福祉のこころを学び、どのように援助者として 関わっていくかを学んでいます。 ゼミでは、最新の課題を取り上げているので充実しています。 また実習では、新たな発見や貴重な体験ができたので、とても良かったと思います。
◇思いやりのある友人が多く、互いに助け合いながら楽しく学べたことが、 私の財産になっています。
◇卒業後は、福祉分野で人と関わっていく仕事を希望しています。


■健康で質の高い「人間らしい生活」の実現に向かって


  生活科学とは、生活者消費者の視点から人間生活の質的向上を目指して、 人間が人間らしく生きるために必要な条件を科学的に追及し、実践する学問です。 現代社会においては生活水準が急速に向上した反面、栄養管理や健康増進、生活環境 の保全、家族の生活や地域社会の在り方、拡大する消費生活、 福祉の充実などに関わる様々な課題に直面しています。とりわけ、日本社会 が直面する少子化や高齢化は総合的に取り組むべき最重要課題となっています。 また、経済のグローバル化に伴って国際的な視野に立った問題解決が 求められています。 そのため、生活科学は、これからますます重要性が増していく学問です。

  本学部は、食品栄養科学科、居住環境学科、人間福祉学科の3学科より構成され、健康、 栄養、食品、居住環境、心理、家族、福祉などについて教育研究が行われています。

■専門・学際・実践

 
生活するということは、複雑な社会的状況の中で自ら実際に対応していく 総合的活動であるとも言えます。 「生活」を考えるためには専門的分野の研究ではなく、あらゆる学問分野が 交流する学際的研究が不可欠です。また、理論的考察にとどまらず、研究成果 を現実に実践する方法を学ぶことも必要です。そのために、実践、実習、 フィールド・ワークを重視しています。

■総合的視野を育む教育環境


  現代社会に生ずるさまざまな生活上の問題を科学的に考え解決するには、文系 と理系双方の観点を身につけることが求められます。また、女性・男性双方 からの視点も、互いに補いあうものとして大切にしなければなりません。 本学部では、バランスのとれた文系と理系の教員、女性と男性の教員 から構成されており、学生が総合的な視野を育む上でふさわしい教育環境 となっています。また、全国に先駆けて「家政学部」から「生活科学部」 に改編し、男女共学としました。近年、学問の重要性の増大とともに男子学生 の数が増加しています。
  学生は3年次または4年次から、各自の興味関心に応じて指導教員を選び、卒業研究を 行います。所属した研究室では、大学院生や研究生とも接しながら、一人ひとりきめ 細かい指導を受けて、実践力を養います。

学部に関する Q & A

Q.
食品栄養科学科の卒業後は?
A.
健康増進のために指導できる専門家として活躍できます。卒業と同時に栄養士免許 を取得することができ、さらに管理栄養士国家試験受験資格が得られます。 これらの資格を生かして、病院、保健所、その他各種施設で専門的な仕事に 就くことができます。また、食品関連産業で豊かな食環境を創造するために 活躍することもできます。食品衛生監視員になる道も開かれています。

Q.
居住環境学科ではどのようなことが学べるのですか?
A.
住まいを中心とする居住空間の計画、管理に関する理論をはじめ、新しい技術 を研究・開発する実験、居住環境調査等のフィールドワーク、デザイン・センス を磨く制作実習や設計製図など、幅広いジャンルの講義や演習が提供されています。 自分に最も適した専門分野を選択して居住空間を創造する能力を養うことができます。 教員とのマンツーマンによる卒業研究では、専門知識の応用力を磨きます。

Q.
人間福祉学科では、どのような資格が取得できますか? また、どのような就職先がありますか?
A.
養護教諭の免許、社会福祉士受験資格、心理士申請資格などを得ることができます。 大学院に進学すると、臨床心理士受験資格や養護教諭専修免許なども取得できます。 卒業後は、公務員として児童相談所、福祉事務所、家庭裁判所などに勤めたり、 ソ−シャルワーカー、発達相談員、カウンセラー等として、病院や各種の相談機関 に勤めたり、また、養護教諭として学校の教員になる道もあります。


授業科目・講座一覧
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■食品栄養科学科
バイオサイエンスを通じて健全な食生活を学び、食品と栄養に関する実践的な知識 を身につけた「食」の専門家を育成するために2コースが設けられています。

< 食品学コース >では、
    有機化学、生化学、物理学を主な基礎科目として食品成分や栄養価、生理機能 などを学び、消費者の立場から食品関連産業の発展に役立つ人材を育成します。

(主な授業科目)
    有機化学(特)・(監)、解剖生理学、生化学(特)・(監)、微生物学、食品栄養科学概論、 食品学総論、食品学各論、食品化学、食品プロセス科学、食環境科学、 食品加工学、調理科学、食品衛生学、栄養学総論、栄養生化学、栄養生理学、 栄養制御学、公衆衛生学(特)・(監)、基礎実験(特)・(監)、食品科学実験(特)・(監)、 栄養科学実験(特)・(監)、ほか

< 栄養学コース > では、
    生化学、生理学を主な基礎科目として栄養素と人間の身体機能や代謝調節 とのかかわりを学び、健康増進のために食生活の面から指導できる人材を育成します。

(主な授業科目)
    有機化学(特)・(監)、解剖生理学、運動生理学、生化学(特)・(監)、微生物学、 食品栄養科学概論、食品学総論、食品化学、食品プロセス科学、食環境科学、 栄養学総論、栄養生化学、栄養生理学、栄養制御学、臨床栄養学(特)・(監)、 公衆栄養学、公衆衛生学(特)・(監)、基礎実験(特)・(監)、 栄養科学実験(特)・(監)、食品科学実験(特)・(監)、ほか

■居住環境学科
21世紀のよりよい居住環境に向けて、居住空間を中心に、 生活用具やインテリアから都市まで、人間と環境にやさしい生活空間の創造に寄与し、 それらを適切に維持管理しうる人材を育成するために2コースが設けられています。

< 居住デザインコース > では、
    デザイン理論を学ぶとともに、生活空間の設計、管理の理論と技術を学び、 生活者の視点から居住環境の創造・維持に寄与できる人材を育成します。

(主な授業科目)
    居住環境学概論、居住環境学実習、建築材料学、構造力学、建築環境工学、建築設備、 環境デザイン論、インテリア計画学、地域施設計画論、建築一般構造、住居計画学、 住文化史、建築材料・構造学実験、基礎設計製図、 設計製図(特)・(監)・(企)・(協)・(労)、ほか

< 設計システムコース > では、
    建築物の構造設計や福祉機器、生活機器の製品開発を学ぶとともに、CADなどの 設計ツールや情報システム運用技術を学び、高度情報社会をリードする人材を 育成します。

(主な授業科目)
    居住環境学概論、居住環境学実習、建築材料学、構造力学、建築環境工学、建築設備、 住居安全工学、地域施設計画論、空間認知論、建築一般構造、住居計画学、住文化史、 設計システム演習(特)・(監)、建築材料・構造学実験、基礎設計製図、 設計製図(特)・(監)・(企)・(協)、ほか

■人間福祉学科
医学、保健学、心理学、教育学、社会学、経済学、社会福祉学の幅広い学問を ベースに、乳幼児期から高齢期にいたるヒューマンライフを学び、また個人から 家族、地域社会までを総合的に捉え、理想的な福祉社会を建設する人材を育成 するために3コースが設けられています。

< 発達臨床コース > では、
    人間が成長していく過程で起こる変化や悩みなどを心身両面から学び、こころの 発達支援ができる人材を育成します。

(主な授業科目)
    人間福祉学概論、発達臨床心理学、生涯発達心理学、教育臨床学、家族社会学、 人格心理学、心理アセスメント、コミュニティ心理学、家族関係学、 発達臨床心理学実験(特)・(監)、発達臨床心理実習、心理アセスメント実習、ほか

< 教育健康コース > では、
    発達的見地から教育と健康について学び、教育現場での子どもたちの学びと 健康を心身両面から支援できる人材を育成します。

(主な授業科目)
    人間福祉学概論、発達保健学、学校保健学、教育方法学、保育看護学、 衛生公衆衛生学、養護概論、コミュニティ心理学、教育相談学、教育哲学、 統合教育論、統合教育論演習、保育看護学実習、ほか

< 福祉コース > では、
    社会問題の分析から政策まで、福祉を総合的に学び、諸問題に適切に対応でき、 社会の現場で活躍できる人材を育成します。

(主な授業科目)
    人間福祉学概論、社会福祉原理論、社会保障論、ケアマネージメント論、児童福祉論、 障害者福祉論、老人福祉論、グループワーク、ケースワーク、介護学、社会政策論、 福祉経済政策論、社会病理学、共生社会論、社会調査法、社会福祉実習(特)・(監)、 ほか


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21世紀社会を展望しゆとりの生活を創造


現代社会は、科学技術の目覚しい発展・高度化、また急速な情報化に伴って、 生活構造が多様化しています。ライフスタイルの急激な変化は、食生活をとりまく 環境を大きく変化させ、人の健康に関わる問題もこれまで以上に 複雑多岐にわたっています。そして、環境の激変とともに、人間の生活居住空間 をめぐる課題はますます増大しています。また、社会の成熟化とともに、 少子高齢社会が到来した現在、人間が社会生活を営む上で発生するさまざまな 生活問題に対して的確な対応がますます要請されています。 さらに、複雑な現代社会は、現代人の「こころの健康」維持も大きな課題 となっています。

生活科学研究科は、このような社会が直面する新たな生活問題の解明という 現代社会の要請に対応する専門職業人と研究者の育成を目指すため、従来の 3専攻を統合・再編し、2000年4月より、4講座1研究室で構成され、 7履修コースをもつ「生活科学専攻」として新たに生まれ変わりました。

< 食・健康科学コース > は、「食」と「健康」に関与する先端的学術研究 を行う人材を育成します。

< 居住環境学コース > は、居住問題解決のため優れた応用能力をもった 人材を育成します。

< 総合福祉科学コース > は、実践を核に人間および福祉分野の学際的 アプローチによって総合力をもった人材を育成します。

< 臨床心理学コース > は、「こころの病理と心理療法」の専門的知識をもった、 診断と臨床実践に携わる専門家を育成します。

< 長寿社会食生活学コース > は、「食」から高齢者の健康維持を目指す人材 を育成します。

< 居住福祉工学コース > は、障害者・高齢者の居住空間における 安全・快適・利便を目指す人材を育成します。

< 長寿社会福祉科学コース > は、高齢者・障害者の社会的諸問題に適切 な対応ができる人材を育成します。






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