医学部
Medical School
最新・最高の医療現場を目の当たりにして全人的な医療人を育成する

Medical School

高岡志帆 医学部 4回生

◇私は元々医師になりたかった訳ではなく、自分自身アトピーなので敏感肌用化粧品の開発に憧れていました。 しかし今は医学を学び当時とは意識が変わりました。
◇医学部校舎は新しく、日当たり良好な自習室が夜10時半まで開放されており、 “この 大学を選んでよかった”と思いながらキャンパスでひなたぼっこをしています。
◇テストやコンパのときはクラスで団結します。女子は4分の1程しかいませんが、 性差関係なく皆仲良しです。私は私のクラスが大好きで、また誇りをもっています。
◇世界中の人に対して精神的にもケアもできる医師になりたいです。 これから大学を選んでいく方達も是非、夢をたくさんもってください。 可能性は無限です。


■21世紀の医学・医療に向かって


医学部は、1944年4月に創立された大阪市立医学専門学校から始まり、 大阪市立医科大学を経て、大阪市立大学医学部となり、 現在大阪市にある唯一の大学医学部です。 今日に至る55年間に卒業生が3,390人に及び、 多くは診療の第一線で臨床医として、また、大学、研究所、 医療行政機関などで活躍し、社会からも高い評価を受けています。 分子生物学、電子工学、コンピュータなどの導入により、 最近の医学 医療の進歩はめざましく、その進歩に対応するために、 阿倍野キャンパスの整備・充実が行われました。 1993年に新附属病院、1995年12月に医学情報センター、 1997年4月に医療研修センター、1998年4月には看護短期大学部、 そして同年9月に新学舎(教育研究棟)が、次々と開設されました。 これを機会に21世紀 の医学医療に対応し、貢献していく体制をつくるため、 現在、教育、研究、診療体制の改革に取り組んでいます。

■智・仁・勇を備えた医師になるための充実した教育内容


望まれる医師像とは、高度の医学的知識と技術およびそれを実践する行動力に加え、 人の持つ痛み、悩みがわかり、 さらにわかろうとする温かい気持ちを持つ人であると考え、 本学部ではこのような学生の育成に当たっています。 臨床教育の充実をはかるため、一般教育を1年間とし、 専門教育「基礎医学(2年間)、臨床医学(3年間)」 を5年間とする6年間の一貫教育を行っています。基礎医学教育の特色としては、 国際的視野を持つためにネイティブスピーカーによる「医学英語」、 情報化時代に対応できるために「医学・医療情報学」、 また、医学研究の一端に触れる期間として「修業実習」を設け、 基礎医学教室で特定のテーマについて、 教員の指導の下に学生自ら研究・実験していることがあげられます。 臨床医学教育は、臓器別 講義の導入、 講義時間の大幅な短縮および臨床実習の方法変更と実習時間の増加を行っています。 臨床実習は、講義とは全く切り離され、講義期間が終了後、 5・6年次に集中して終日行われます。 臨床実習の形態はクリニカル・クラークシップ (学生が病 棟に所属し、医療チームの一員として患者の医療に 携わる実習方法) で行い、自己の学習動機を与えることを重視しています。

■女神像

智の女神は傍らに本を抱き、仁の女神は薬壷を両手で支え、 勇の女神は柔らかな手で月桂樹を持つ。 3人の女神が伝えるもの。それは、知恵を育む知識や、技術の習得。 正しい判断に培われた行動力。 そして、なによりも人の持つ痛みや悩みを深く理解する優しい心。 「智」「仁」「勇」こそは医学を志す人間すべての鑑であり、 大阪市立大学医学部が求め続けるかけがえのない理念である。

学部に関する Q & A

Q.
本学医学部では、社会人の学士入学制度はあるのですか?
A.
現在のところ、学士入学制度を行っていません。医学 部の入学試験は、 1997年度より分離分割方式による前期日程(60)名と後期日程(20名) で行われています。 学士入学制度に対する社会的要望も高くなっていますので、 より多様な資質を持つ学生を受け入れるために、 既に一部の大学で実施されている学士入学試験の導入を検討しています。

Q.
6年間の学部を卒業すれば、すぐに医師になれるのですか?
A.
学部を卒業後、 医師国家試験に合格すれば医師免許をもらうことができます。 医師免許により医療行為はできますが、臨床経験が少ないので、 研修医療機関で2年以上の研修を行うことが必要です。 さらに、専門医(内科系、外科系など)のコースを進むことにより、 医師としての臨床経験を積みます。 また、大学院に進み、医学博士を取得することができます。

Q.
高齢社会にむけて医学部ではどのような取り組みを行っていますか?
A.
高齢社会に対応して、老化の現象の研究、 老年疾患の原因解明と治療法の開発を行うために、 1998年に老年医学研究部門を開設しました。 老化に関する分子制御、免疫学、生体防御、脳・神経系、 生体調節物質などの基礎研究や高齢者に多い腫瘍疾患や循環器血管の病気を研究する臨床部門を新しく設置し、専門教育を行っています。


授業科目・講座一覧
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医学部における教育の内容

医学教育は、杉本キャンパスでの一般教育(1年次)と阿倍野キャンパスでの専門教育(2〜6年次)とに大別され、さらに専門教育は、基礎医学(2・3年次) と臨床医学(4〜6年次)に分かれています。

基礎医学では、まず人体の形態学的構造、生理的機能や物質代謝を学び、 ついで薬物の生体への作用、病的条件下における生命現象とその機序、また、 社会的な生活条件と健康の問題、 法律上問題となる医学的現象などの講義と実習を履修します。 臨床医学では、基礎医学で学んだ基礎知識をもとに内科系や外科系の臓器別講義の他、 特別講義、病理解剖例を中心に病理と臨床の合同講義、 少人数臨床実習等を履修します。

臓器別講義は、従来 の内科・外科といった講座ごとではなく、 消化管、循環器、内分泌・代謝、といった臓器別のテーマを複数の講座等で担当し、 また、講義計画書で学習目標や最低到達目標等を明らかにして、 自己学習の便をはかっています。

勉学にあたって他の学部との大きな違いは、 専門教育における科目がすべて必修であることです。 このことは、将来特定の診療部門で医療に従事する医師、あるいは、 一つの専門的な医学部門で研究に従事する医学研究者であっても、 常に人間の病気は身体全体とのかかわりをもって発現し、 さらにその時代の社会構造との関連を抜きにしては健康な生活を営むことができないことを銘記していなければならないからです。

■ 基礎医学科目
解剖学、生理学、生化学、機能形態学、遺伝学、免疫学、細菌学、ウイルス学、 医動物学、薬理学、臨床薬理学、病理学、脳・神経科学、医学史、医の倫理、ME、 医学情報学、医学英語

■ 社会医学科目
法医学、環境衛生学、公衆衛生学

■ 臨床医学科目
内科学、老年医学、小児科学、神経精神医学、放射線医学、皮膚 科学、外科学、 整形外科学、脳神経外科学、産科婦人科学、眼科学、耳鼻咽喉科学、泌尿器科学、 麻酔・集中治療医学、臨床検査医学


医学部の付属施設

■ 医学部付属病院

1925年(大正14)に大阪市最初の市民病院として設立された大阪市立南市民病院が前身です。 現在の新病院は1993年(平成5)附属病院を全面的に建替整備し、 運用病床数23詰所1,009床、外来20診療科、 1日平均の外来患者数約2,800人を超える総合病院に発展。 最新設備と優秀な教員・医師・医療技術職員・看護婦によって高度医療を実施すると共に、 優れた医師の養成と、先端医療の研究開発を行い、 21世紀の医学・医療に向けて新しい内容を備えた国際的な大学病院を目指しています。

■ 医学情報センター

医学情報総合、地域医療情報、市民医学講座、医学資料館の4部門からなり、 医学・医療に関する最新情報・技術を、 大学内外の研究者及び医療関係者へ積極的に提供するほか、 市民医学講座を開催するなど啓発活動に努め、地域医療の充実を目的としています。

■ 附属刀根山結核研究所

1951年(昭和26)に開設され、結核の免疫学的、 生化学的研究に取り組んでいます。

■ 医療研修センター

医療関係者の育成、 医学と医療技術の一層の進展に寄与することを目的に多様な研修が可能な施設。 研修フロア、メディカルフォーラム、 図書資料フロアからなる。 特に、図書資料フロアは、 大阪市立大学学術情報総合センター医学分館として運営されています。



大学院
医学研究科
●分子生体医学●都市医学●老年医科学
●臓器器官病態内科学●病態診断 生体機能管理医学
●生殖発達医学●臓器器官病態外科学●感覚 運動機能医学
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大都市大阪の医療を担う
高度先進医療を目指して



大阪市立大学医学部の教育目標は、 「智」、「仁」、「勇」を兼ね備えた医師を養成し、 大都市・大阪市民の健康を守り、医学医療に貢献することです。 医学研究科は、医学部の教育目標の上に立って医科学研究者を養成することです。 近年の医学と関連領域の状況変化は著しく変化しています。 分子生物学を基礎とする遺伝子の解析と生命科学の発展、 超音波や高速X線断層撮影やPETなどの医用工学の発達による画像診断学の進歩、 コンピューターを利用した高度な情報化と国際化、 高齢化社会への急速な移行と疾病構造の変化、地球規模の環境破壊と健康被害、 経済成長の鈍化と医療経済からみた医療関係費の効率的再配分などの状況変化に対応する必要に迫られています。

医学研究科では、この様な地域社会的、学問的、 国際的な要望に応え21世紀の医学医療の発展に貢献する人材を育成するためのレベルの高い教育を行い、 市民中心の医療を推進して行くための人材を養成することを目的としています。 また、新しく発展してきた都市医学、 老年医学や遺伝子治療などの医学・医療分野に十分に対応するため、 平成12年度に医学研究科を主体とする大学院の再編成を行い、 学術研究の学際化と高度化を進め、 高度に総合化された専門的知識を持つ医師および独創性に富む医学研究者の育成を目指すと同時に、 社会で活躍する病院勤務医、医薬関連研究所・企業人の育成に努めます。

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