文学部
Faculty of Literature and
Human Sciences
文化を知り、社会を知り、「人間学」の探求者となる

Faculty of Literature and Human Sciences

大森佐知子 人間行動学科地理学コース 3回生

◇外国のことを学びたいと思って、文学部を志望しました。国や環境の違いによって、人の考え方や見方が変わることに興味をもっています。
◇一年間北京に語学留学しました。財布をすられたとき、道行く人がみな集まってきて警察に電話したり、励ましてくれて、大変感動しました。中国で見た、日本とは違う人間関係を研究テーマにしたいと思っています。
◇市大は元気で明るい大学です。入学と同時にメールアドレスを貰ってすごく嬉しかった。先生方は皆親切で、いつも応援してもらっていると感じます。
◇将来は、外国で調査や取材を通して、その国の人々の暮らしを伝える仕事をしたいです。


■世界にひろがる好奇心


文学部では、「哲学歴史学科」「人間行動学科」「言語文化学科」の3学科、15の履修コース(第2部は12コース)を設けています。

各学科に共通するのは、人間と、人間の作りあげてきた文化を総体として深く理解しようとする姿勢です。人の知恵や行動に関心をもち、そのすべてを肯定するというヒューマニズムが根底にあります。

また、わたしたちの探究心と知的な好奇心は、地球上いたるところに拡がります。本学部では、各地域に固有の言語・思想・宗教・文学・歴史・制度など、人間が生み出す文化的事象と社会的現象を、ひろく研究対象ととらえています。

多様な地域にまなざしを向けることで、文化や社会を生み出した人間の本質に迫ることが可能になります。文学部が追求する「人間学」は、国際社会で生きるわたしたちにとって、なくてはならないものなのです。



■少人数教育を通じて、21世紀に通用する「人間学」を体得する


大阪は近世以来商都として知られ、ともすれば実利を尊ぶ気風が強調されることがあります。しかし町人たちはすぐれて知性的で、学問を好み、芸術を愛しました。豪商たちは町民のための学問所を創り、第一級の人材を育てることに力をそそぎました。文学部は、この誇るべき都市の伝統に根をおろし、またさらに発展させる役割を担っているという自負のもと、21世紀の社会のため、ひいては次世代のため、日々、教育・研究にとりくんでいます。

本学部では、学生の個性と自主性を尊重することを第一に、教育環境を整えてきました。とりわけ各コースとも、一学年、数名から十数名という少人数編成を採用している点は、特色として挙げてよいでしょう。第一線で活躍する教授陣の指導のもと、学生たちがそれぞれに関心あるテーマについて研究をすすめています。

また文学部では、国語・社会・地理歴史・公民・外国語の教員免許状のほか、博物館・美術館の学芸員資格を取得することができます。卒業後の進路は、製造業・金融業・流通業・情報関連産業・教員・学芸員のほか、新聞社などのマスコミ等多岐にわたっています。また官公庁にあって、国際交流・文化行政・福祉といった分野で活躍する人材も輩出しています。文学部で培われ、身についた「人間学」は、一般社会においても十分に有効性を発揮します。

学部に関する Q & A

Q.
文学部の特色は何でしょう?
A.
文学部を「小さな総合大学」だと思ってください。学問の幅、間口の広さが最大の特色です。伝統ある「哲学・哲学史コース」から、思想・文学・演劇・音楽・美術・映画・モード・サブカルチャーを現代的な視点から研究する「表現文化コース」まで、多彩な「知」へとつながる扉が用意されています。学生は多様な選択肢から勉強したい領域を選ぶことができます。しかもしっかりと専門的に学ぶことができます。

Q.
コースは、どのように選べばよいのでしょうか?
A.
コースにわかれるのは2年次からです。入学後の一年間は、専攻を決めないままに幅広く講義を受けることになります。そのあいだに自分を見つめなおし、もっとも関心のある専門分野は何かを見極めて、針路、すなわちコースを選択してください。迷った場合は、1年生の担任教員が適切なアドバイスをくれることでしょう。また各コースのガイダンス、先輩からの情報も参考になるでしょう。

Q.
卒業後も勉強を続けたいのですが、どのような方法がありますか?
A.
大学院・文学研究科に進んでみてはどうでしょうか。12の専攻があり、それぞれが前期博士課程(修士)・後期博士課程を備えています。課程修了ののちには、各地の博物館・資料館の学芸員、大学教員として活躍している人も少なくありません。大学院には、研究者への道筋が開かれています。みずからの「知性」にさらに磨きをかけたいと熱く望む人は、ぜひ進学してください。


授業科目・講座一覧
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3学科15履修コースを擁する「小さな総合大学」

■ 哲学歴史学科

●哲学・哲学史コース(第1部)

●哲学コース(第2部)

哲学とは、私たちが生きるこの世界と、人間存在が占めている位置について、さらには私たちの知識の成り立ちと根拠について、あきらかにする学問です。本コースでは、古代ギリシアから現代にいたる西洋哲学の古典的文献について学び、論理的かつ批判的に考えるために必要な素養を身につけます。

●倫理・宗教コース(第1部)

哲学の実践的問題に焦点を当て、西洋哲学と東洋思想の古典を学び、現代社会において「よく生きる」とはどういうことかを深く考究します。また「よく生きる」ことと宗教とのかかわりあいについても学びます。

●日本史コース

遺跡・遺物、記録や日記、近現代の公文書といった史資料をもとに、政治史、社会史、都市史、文化史など多様な視点から、古代から現代にいたる日本の歴史を幅広く学びます。古文書の調査・整理やフィールドワークに参加する機会も多く、博物館 などの文化行政や教育の現場で活躍する人材を養成します。

●世界史コース

中国・朝鮮、東南アジア、中東、ヨーロッパ、アメリカなど全世界を対象に、古代から現代までの歴史を探究します。古今東西の史料を読み解き、各地域の特質や、各社会の政治的、文化的背景をあきらかにします。また美術史、考古学についても知識を深めることができ、広い視野をもつ国際的な教養人を育成します。

■ 人間行動学科

●社会学コース

人間がつくりだした社会に焦点をあて、そこにたち現れるさまざまな現象を科学的に分析します。諸制度、都市、家族、産業 と労働、文化と情報、メディアなど、人間の共同生活の諸相について多角的に学びます。

●心理学コース

心のはたらきという目に見えない現象を、行動という客観的な指標を通してあきらかにします。さらに生理、感覚・知覚、認知、学習、発達、社会、性格といった、心のはたらきのさまざまな側面について、深く学びます。

●教育学コース

教育は、個人の生涯にわたる自己形成によい影響をもたらすものでなければなりません。同時に、社会的な価値・規範の伝 達に関して、普遍かつ妥当性のある解答を探ることも教育の使命です。人間そのものについて深い理解を得るため、教育の方法論、制度、歴史について学びます。

●地理学コース

世界には、都市、農村、先進諸国、第三世界など、さまざまな地域・場所が存在します。地理学は諸地域のなりたちと現状を解きあかし、将来像を描きだす実践的な学問です。旺盛なフィールドワークを通じて、地域の現実やメカニズムを把握し、その成果を社会にフィードバックする能力を養います。

■ 言語文化学科

●国語・国文学コース

古代から現代に至る日本語と、近世以前の古典文学を学びます。緻密な文献の読解に重きを置き、根拠を示しつつ着実に論を展開させていく実証的な研究姿勢を修得、日本文化の究明を目指します。

●中国学コース

文学・思想・語学の三分野からなります。真の語学力を基礎に、漢文・唐詩で知られる古典文学から近現代文学までを幅広く読みとき、かつ儒教・仏教・道教などに流れる豊かな思想を学びます。また本コースでは、朝鮮文化との比較研究も視野に収めています。

●英米言語文化コース

世界の共通言語である英語の運用能力をつちかい、英米文学、英語学、英米文化の三分野について学びます。

●ドイツ言語文化コース

語学の力を身につけながら、現代ドイツ語のしくみと成り立ちを学び、中世から現代に至るドイツ語圈の文学・文化を探究します。

●フランス言語文化コース

語学の訓練を基に、「生きた、愛した、書いた」というスタンダールの言葉に象徴されるフランス精神について学び、さらにフランスに関する総合的な知識を身につけます。なおロシアの言語と文化を学ぶこともできます。

●言語情報コース(第1部)

言語データの処理・分析、複数言語の相違点などの考察、コンピューターを活用したコミュニケーション能力の開発など、言語の可能性を開く研究を行ないます。

●表現文化コース(第1部)

現代的な視点から、思想・文学・演劇・音楽・美術・映画・モード・サブカルチャーなどを対象とした比較研究を展開します。柔軟で斬新な研究が可能です。



大学院
文学研究科
●哲学●社会学●心理学●教育学●日本史学●東洋史学
●地理学●国文学●中国語中国文学(前期のみ)
●中国文学(後期のみ)●英文学●独文学●仏文学
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<知>を組み換える冒険
21世紀を目の前にした現在、これまでの人間の<知>のあり方は大きく変貌を遂げようとしています。この<知>の枠組・構造の変化に対して、文学研究科も積極的に関与してゆきます。流行する<知>に潜む不易の本質を見つめて学問的<知>の組み換えに挑戦します。

文学研究科は多岐におよぶ学問を網羅しています。その研究領域は大きく二つに分けることができます。

ひとつは人文科学と呼ばれるもので、日本や中国や西洋で人間の普遍的な教養として重視されてきたものです。これには人間と世界を理解するための基礎的な学問としての哲学、人間がさまざまに考え行動してきた過程や意味を考える歴史学、人間の喜怒哀楽や希望や挫折をとらえた文学作品や記録を対象にした文学研究、文化の基礎となる言語の研究がふくまれます。

いまひとつは近・現代になって成立した学問分野で、自然科学や社会科学の方法を用いて、人間存在やその行動を理解しようとするものです。これには集団生活をする人間のさまざまなあり方を研究する社会学、人間の心の働きの仕組みを解明する心理学、人間らしく成長してゆくための学習や制度の問題を考える教育学、人が生活する「空間」や「景観」を研究する地理学があります。

現在は学部のコースを基礎として、哲学専攻、日本史学専攻、東洋史学専攻、社会学専攻、心理学専攻、教育学専攻、地理学専攻、国文学専攻、中国語・中国文学専攻、英文学専攻、独文学専攻、仏文学専攻の12専攻を擁しています。いずれの分野も、人間の作りあげてきた文化を、総体として深く理解しようとする姿勢を学びます。人が考え行動することすべてに関心をもち、人のすべてを肯定するというヒューマニズムを、研究活動の根底に据えています。






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